ハンガリーの医学部で学ぶということ - JGSWeekly #6
今回は、ハンガリーの医学部に通っておられる加藤佑介さんからのリポートです。加藤さんは、TV番組”NHK海外ネットワーク特集”でハンガリーの大学医学部という異色の経歴から番組出演もされたこともあります。
センメルワイス大学は現在60以上の国や地域から大学生が留学し、3割が留学生であることからも分かるように、グローバル化が進んでいます。同大学は、国内で4つの医学部があるうちの1つの大学です。
Q1.基本情報を教えてください。
—現在、ハンガリーのセンメルワイス大学医学部に通う加藤佑介(24歳)です。
Q2.よくハンガリーという国に行こうと思いましたね!
—最初は、アメリカやオーストラリアに留学しようと思ったのですが、学費が比較的高かったです(笑)そこでブルガリアやロシアなどにも興味はあったのですが、そこでは現地語で講義が行われるということだったので、英語で医学が勉強できるハンガリーに決定しました。うちの大学は、特に、首都のブダペストに位置しているため、とても便利です!
Q3.ハンガリーには他の日本人留学生も多いのでしょうか?
—はい。日本人コミュニティは200名を超えてます。現地に日本人学生向けの図書館(学習室)があります。HMU1という組織に運営されており、そこにほとんどの日本人生徒が顔を出すため、日本人コミュニティーが出来上がります。 実際の写真は
図書館の大教室
生徒のものを置く棚
Q4.なるほど、ありがとうございます。加藤さんは医学部ということなのですが、将来はハンガリーで医者になることを考えていますか?
-まずは、18年間を過ごし愛着がある日本で働きたいと思っています。卒業後に日本の医師国家試験を受け日本の病院でしばらく働き、経験を積みたいです。ハンガリーの医科大学を卒業するとEUの医師免許を獲得する事が出来るため、選択肢の幅が広がります。将来は、日本の良い医学を世界に広め、また、EU独自の医学を日本に普及させたいと思っています。
Q5.海外の医師免許とはすごいですね!やはり、18年間日本で暮らしていて、大学から海外で勉強するということはどのくらい大変でしょう?
-ハンガリーの医学部への入学者は日本人留学生に関わらず7〜8割程度の生徒が最低一回は留年していて、またその中の半分ほどが学校をやめていきます。10年ほど前からハンガリーの医学部への進路が日本人の間でも始まったのですが、ハンガリーに行った最初の生徒はやっと卒業したらしいです。 そのようなハードな状況についていけるのは、やはり応援してくれる人が周りにたくさんいるからです。これからも、こうした人との”つながり”を大切にしていきたいと思います。
【編集後記】
加藤さんはとてもフランクな方でとても面白く話させていただきました。 週末は友人とスポーツをすることもあるらしく、とてもエネルギッシュに溢れています。JGSは、このように積極的に海外の医学部で学ぶ加藤さんのような日本人学生をどんどんプロモートしていきたいです。現在、ハンガリー留学が注目されています。ハンガリーでは外貨獲得の狙いもあり、留学生を積極的に受け入れていて、米国などに比べ留学の門戸が開かれています。奨学金も充実しており日本の学生の間で人気が高まっているそうです。 是非機会があればハンガリーに留学されてはいかがでしょうか。
参考までに: お金が理由で医師になることを諦めたくない人はハンガリーに留学をすればいい
-
ハンガリー国立大学医学部事務局
の略称。HMUでは学校の始まる3ヶ月前から英語だけをみっちりと勉強するSummer course(英語研修)を提供しており、また、生活面においても電話対応などをしてくれる。次代を担う医師の育成のために学生の生活面と勉強面の2つの面で手厚くサポートしてくれる機関である。 ↩