グローバル化を牽引する日本人エンジニア - JGS Weekly #3

文科省は、2014年9月に大学の国際競争力を高めるために重点的に財政支援する「スーパーグローバル大学」において国公私立大37校選んだと発表しました。2023年度までの10年間に1大学当たり最高約4億2千万円の補助金を毎年支給することが決められています。今や、日本にとっては、世界で通用するグローバル人材の育成が急務といえます。そこで、海を超えて果敢に挑戦し続ける同世代の学生の活躍が私たちへの刺激となると思います。今日は、現地で活躍しているワシントン大学の方のインタビューです。

今回3回目のウィークリーでインタビューに答えてくださった方は、成井元輝さん(19歳)University of Washingtonに通っておられる1年生です。ワシントン大学はワシントン州シアトルにあります。イチロー選手が元在籍していたマリナーズで有名ですね。では、今回はMotokiさんには【米国Engineering専攻の就活事情】【日本人コミュニティの生かし方】【現地の生活の魅力】を語っていただきます。

Q1.基本情報を教えてください。

—現在、ワシントン大学でMechanical Engineering (Intended, currently pre-engineering status)を学んでいます。実は、ワシントン大学がはじめての海外留学ではなく、イギリスへの留学(UWC Atlantic College、2年間の国際バカロレア課程)を経験しました。卒業後、より多くの国際経験を積みたいと思ったため、海外留学を続けようと思ったのがきっかけです。

Q2.なぜワシントン大学に留学しようと思ったのですか?

—イギリスの留学先とは対照的な都会の大学で学びたいと思っていました。そこで、Engineeringを学習する上で、世界的にレベルが高く、実際のフィールドワークの機会も多いアメリカで学習したいと思いました。そして、大学周辺(シアトル近郊)にMicrosoft、Boeing、Amazonなど、Engineeringに関わる企業が多く、インターンなどの機会が豊富にあると考えたためワシントン大学に進学しました。また、近郊ではEcoCar3、Formula MotorsportsなどのEngineering 関連のStudent Organizationsが充実しており、非常に魅力的でした。

(Microsoftの本社はワシントン州レドモンドにある。)

 

Q3.なぜMotokiさんはEngineeringに興味をもったのですか?

-機械、いわゆる’メカ’への単純な興味からですね。将来は、Environmental Technologies(再生可能エネルギー、スマートグリッド、EVなど)の発展を通して社会に貢献したいと思います。

Q4.なるほど、ところで、アメリカでのEngineering専攻の方の就活事情ってどうなってるんでしょう?

—Engineering 専攻の就活は、経験が重要視されます。学部生は教授の研究に参加することやインターンシップを行うことが多いですね。また、オリエンテーションで言われたのは、自分から積極的に(過剰なくらいに)専攻科目の教授や企業に働きかけて、研究などの実践の機会を獲得しなければいけないということです。 また、日本人にとってはアメリカで就職をする場合International Student(F1ビザ)としての就職を考える必要があります。International Studentを採用しない(できない)企業が少なくないため、Engineering/Computer ScienceとBusiness以外の専攻の現地採用は少ないという話はキャリアセンターで聞きました。

Q5.積極性がやはり大事なんですね(笑)ところで、Motokiさんは現地で日本人と関わることってあるんですか?

—はい。私は今、ワシントン大学のJSA(Japanese Student Organization)にオフィサーの一人として携わっています。主な活動内容として、キャンパス内での日本人及び日本文化に興味のある人を対象にしたイベントを企画・主催すること。日系企業(多くはボストンキャリアフォーラムに参加する企業)の企業説明会や面接の企画の2つを行っています。

(ボストンキャリアフォーラムは、優秀な日英バイリンガルを求めるグローバル企業に不可欠な採用イベントであり、毎年200社以上もの企業が足を運ぶ)

 

Q6.いろいろ活動をなされてますね!ちなみに、海外経験の長いMotokiさんは海外での日本人ネットワークをどうお考えですか?

—やはりバランスが大事だと思います。留学生として、日本人とばかり過ごしているのは好ましくないですよね。日本を現地コミュニティに紹介することによって、自分が今まで気づかなかったような広い視野をもてます。それが、日本人と付き合うことで得られるいい点だと思います。また、日本と米国では高校教育のシステムが違うため日本人の先輩から履修科目の選択などでより的確なアドバイスがもらえることもメリットの一つだと思います。

Q7.現地では普段勉強が大変だと思うのですが、何か心がけているストレス発散法などありますか?

—僕自身、週末はキャンパスを出て、ダウンタウンでお気に入りのカフェ探しをしています。ダウンタウンシアトルまで路線バスで15分という地の利から、週末に限らず、ストレス発散にシアトルの街へ出かける人が多いですよ!

Q8.シアトルですか!そんなすぐいけるとは羨ましいです!Motokiさんにとってシアトルってどういうところですか?

—シアトルの公共交通機関は、分かりやすく、信頼性も高いため、車がなくても不便に感じたことがないですね。シアトルの主な観光スポットとしては、パイクプレイスマーケット、スペースニードルなどがあり、少し郊外へ足を伸ばせば、Boeingの工場ツアーやMicrosoft本社のキャンパス、レーニア山も観光することができます。

(とても有名なシアトルのランドマーク。4000メートル級の高さをもつ。麓のレーニア国立公園には多くの人が訪れる。)

 

Q9.なんかシアトルに行きたくなってきました(笑)最後にワシントン大学の魅力を是非皆さんにお伝えください!

—UWはスポーツに力を入れており、ジムやテニスコートなどのスポーツ施設が充実しているだけでなく、大学のアメフトチームの7万人収容のフットボールスタジアムもあるため、シーズン中は観戦する人が多いです。キャンパス内でも、季節ごとのイベント(Halloween, Thanksgivingなど)があり、各国料理のワークショップや映画の上映会など、毎週末何かしらのイベントが行われています。なので、週末やストレス発散のために行く所やすることが尽きることはなく、学習と両立できれば大学生活を満喫できる環境だと思いますね。

<編集後記>

現地の就活の話から日本人コミュニティの生かし方、シアトルの話までいろいろさせていただいてとても刺激的でした。やはり、日本の新卒一括採用主義と違ってアメリカの就活は、積極性、主体性がとても重要になっているようです。また、海外では日本人だけで固まるのではなく、お互いのためになる”いい関係”を維持したいですね。そこで、私たちJGSも何ができるかを追求していきたいと思います。最後に、シアトルに遊びに行きたいです(笑)

Like us on Facebook!!

Published: December 15 2014

  • category: